Sibelius Resource Center Header v2

Sibeliusの今年2回目のデスクトップ版のリリースと3回目のモバイル版のリリースを発表でき、大変うれしく思います。すべてのプラットフォームでSibelius全体のテキスト処理の改善を組み合わせた意欲的なリリースです。製品ラインナップにも変更を加え、「Sibelius First」と「Sibelius Ultimate」の中間の製品に「Sibelius Artist」という新しい名前が付けられました。

 このリリースには、デスクトップ版とモバイル版の両方におけるバグ修正が含まれているため、できるだけ早くアップデートすることをお勧めします。デスクトップでは、Avid Linkで取得可能なアップデートを見つけることができます。または、Avidアカウントからインストーラーをダウンロードできます。モバイル版の場合は、App Storeにアクセスしてアップデートを見つけてください。


 

Sibelius製品ファミリーの新しいアップデート

これまで「Sibelius」と呼ばれていたSibeliusの中間バージョンの名称が変更されました。新しい名前は「Sibelius Artist」で、最近名称変更があった「Pro Tools Artist」と同様です。Sibeliusファミリーは以下の通りです:

 
  • Sibelius First — 記譜を始めたばかりの人用のSibeliusの無料バージョン
  • Sibelius Artist — 学生や熟練したアマチュア用の、小規模のアンサンブル(最大16個の譜表)のスコアを作成できるバージョン
  • Sibelius Ultimate — プロの作曲家、アレンジャー、出版社、および教育施設向け 

 

以前の「Sibelius」に対する有効なソフトウェア・アップデート・プランを備えたサブスクリプションまたは永続版ライセンスをお持ちの場合は、Avidアカウントで最新のアップデート(2022.5)を備えた新しい名前の「Sibelius Artist」ソフトウェアにアクセスできます。

Sibelius Artist」と「Pro Tools Artistは、どちらも、次世代の音楽クリエーターが、スコアの作成、ビートの作成、音楽の録音など、手頃な価格で素晴らしい音楽を作成するために必要な基本的なツールを利用できるように特別に設計されています。また、SibeliusとPro Toolsのファイル形式は業界の共通言語であるため、プロジェクトを世界中のオーケストレーター、プロデューサー、スタジオに持ち込んで、コラボレーションして、あなたの音楽をさらにいいものにできます。 

Sibeliusをお持ちでないですか?ソフトウェアの詳細を参考にして、Avid.comおよび最寄りの代理店で購入することができます。

または、古いバージョンのSibelius永続版ライセンスをお持ちの場合は、Avid.comオンラインストアおよび最寄りの代理店で最新バージョンにアップグレードできます。

 

ワイルドカード

ワイルドカードのすべてを右クリック/2本の指でタップする単語メニューに含めることで、それらを見つけやすくしました。また、スコア情報ページに移動せずに、スコアから直接割り当てる機能を追加しました。モバイル版では、デスクトップ版にあるようなスコア情報ページがないため、両方のプラットフォームに役立つように設計されています。

ワイルドカードは、スコア内のテキストを保存して呼び出すのに最適な方法です。たとえば、タイトルをすべてのページのヘッダーに表示したい場合、もしくは今日の日付を表示したい場合は、ワイルドカードを使用して次のように表示することができます:

\$Title\ はスコアのタイトルを呼び出します。 

\$DATELONG\ は、日付を表示します(例: 2022年5月26日)。 

以前は、デスクトップ版Sibeliusの [ファイル]  >  [情報] ページでのみ設定できました。このリリースで、デスクトップまたはモバイルで実行されているSibeliusのスコア上で、これらを設定できるようになりました。スコアにワイルドカードを追加するには、次のように入力します:

\$Title=Wonder Cats\

 

 JA-Sibelius20225-1

 

これにより、[情報] 内のタイトルが「Wonder Cats」に変更され、スコア内で \$Title\ を入力するとタイトルが表示されます。:

タイトルを変更したい場合は、次のように入力します:

\$Title=Fantastic Dogs\

これにより、[情報] 内のタイトルと、スコア上のタイトルが全て更新されます。同じワイルドカードに異なるテキストを含めることはできないため、「Wonder Cats」がすべて「Fantastic Dogs」に更新されます。

 

JA-Sibelius20225-2

 

以下のワイルドカードは特別な使用例のために確保されているため、定義できないことに注意してください:

PartName, HeaderPartName, InstrumentChanges, HeaderInstrumentChanges, DateShort, DateLong, Time, User, FilePath, FileName, FileDate, PageNum, NumPages

 

スコアの新しいヘッダー

(Sibelius Ultimate のみ)

上記の新しいワイルドカード機能とともに、スコア内に複数のヘッダーとフッターを設定する新しい方法を導入しています。今までは、スコアの新しいセクションに別のヘッダーを設定する際の制限を回避するための長々しい対処方法を使用してきました(第2楽章、など)。

これを行うには、スコアのセクションの最後にある小節線を選択し、インスペクターを開いて [セクションの最後] にチェックを入れます。また、コマンド検索で新しい [セクションの最後] コマンドを検索するか、新しい [section_end] コマンドIDを使用してプラグインを作成することもできます。スコアのセクションの最後を表示するには、デスクトップ版の [表示] タブで [レイアウト記号] にチェックを入れるか、モバイル版のコマンド検索で「レイアウト記号」を探します。次に、セクションの最後の前にスコアにヘッダー・テキストを入力すると、セクションの最後の後に表示されなくなります。これにより、セクションの最後の後に新しいヘッダーを作成できます。

これは、ヘッダーやフッターを含む、いくつかのテキスト・スタイルで機能します。「次のセクションの終わりまで繰り返す」と呼ばれるテキスト・スタイルの新機能を利用しています。これは、デスクトップ版Sibeliusで、[テキスト] > [スタイル] > [新規テキストスタイル] > [リピート] ページにあります。すべての新しいスコアでオンになっており、古いスコアではオフになっているため、既存のスコアはまったく同じに見えます。

 

JA-Sibelius20225-3

 

他の人とファイルを操作する

他の人とスコアを作成している場合は、新しいテキスト機能は最新バージョンのSibeliusでのみ機能することに注意してください。これらの新機能を使用したスコアを他の人に送信すると、ワイルドカードのテキストが表示されます。ですので、古いバージョンを実行している場合、Avid.comオンラインストアおよび最寄りの代理店で最新バージョンにアップグレードできます。

 

ペダル線の改善

すべてのリリースで、基になる記譜エンジンに加えた変更は、デスクトップ版とモバイル版で共有されます。最近のモバイル・リリースをご存知の方は、ペダル線のデフォルトの位置が改善されたことに気付くでしょう。4月のブログに書いたように、(次の小節やシステムまで伸びることなく)小節の終わりでペダル線が切れるようになったため、以前のように正しい位置に動かす必要はありません。以下の例で、改善前と後の違いをご確認ください。

 

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スコアの先頭または最後まで拡張

このリリースには、環境設定のキーボード・ショートカット内の選択カテゴリに、2つの新しいコマンドが含まれています。これらはコマンド検索で見つけることができ、ショートカットで切り替えられます:

選択範囲をスコアの先頭まで拡張:

  • Mac: Cmd+Shift+Home
  • Win: Ctrl+Shift+Home

選択範囲をスコアの最後まで拡張:

  • Mac: Cmd+Shift+End
  • Win: Ctrl+Shift+End

このコマンドは、現在の選択範囲をスコアの先頭または最後まで拡張します。これは、譜表選択とシステム選択が維持される「小節の先頭まで選択を拡張する」と同様に、コンテキストを認識します。

 

タイの後ろの音符以外にアーティキュレーションを追加するのに役立つ新しいフィルター

今まで、音符のパッセージを選択してアーティキュレーションを追加すると、タイがかかっている場合、選択したすべての音符に追加されました。このリリースでは、タイの後ろの音符以外をフィルター(選択)する機能が追加されました。デスクトップで使用するには、[ホーム] > [フィルター] に移動し、[音符と休符] 内の [タイの後ろの音符以外] を選択します。これは、デスクトップ版とモバイル版の両方のコマンド検索にもあります。

Filter non-tied notes

プラグインを利用する人は、新しいコマンドID「filter_non_tied_notes」でこれを呼び出すことができます。
次のBetaでどのように翻訳当てられるか確認しますが、一応このようにお願いしています。

 

フィルターがモバイル版に登場

長らくお待たせしました、モバイル版のフィルター機能が追加されました。これを使用すると、選択範囲から特定のアイテムを除外できます。一度に複数のテキストを編集したり、アイテムの位置を変更したり、特定の声部で音符やその他のオブジェクトを調整したりするのに非常に便利です。もちろん、コマンド検索でこれらを名前で検索し、標準のラップトップ・キーボード・ショートカットを使用できます。

 

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バグ修正と全般的な改善

いつものリリースと同様、バグ修正と改善点が含まれています:

  • Macのインストーラーは、12以前にはインストールされなくなります。以前のバージョンでは、その古いOSのサポートを終了したにも関わらず、インストーラーは引き続き実行されたため、紛らわしかったです。
  • クイックスタート・ウィンドウで入力したワイルドカードがタイトルページで機能するようになりました。
  • 複数のシンボルで [位置をリセット] を実行した後、Sibeliusが異常終了しなくなりました。
  • 韓国語と日本語の歌詞をSibeliusに入力する際の問題(9で導入)が修正されました。

 

ここまで読んでくださってありがとうございます!デスクトップ版とモバイル版の両方で、Sibeliusのこのリリースを手伝ってくれた、無数のベータ・テスターに感謝します。Twitter @AvidSibeliusFacebookで、どのようにSibeliusをお使いなのか、ぜひ投稿してください。  

 

Sibeliusラインナップ比較表

【Sibelius for mobile 2022.5 日本語ガイド】
JA-sibelius-for-movile20225-guide-cover

Sam Butler headshot
Sam Butler
As director of audio software at Avid, and a keen musician, Sam works with all the departments in Avid to produce the future of the Pro Tools and Sibelius products and solutions.
HK