最後にブログを書いてからかなり月日が経ってしまいました。前回は確か2020年、まさにライブサウンド業界ではまともに仕事が回ってこない時代でした。いやはや、本当に不思議な期間でした。
今はもうリアルにライブを全開で開催しており、スケジュールをなんとかやりくりしています。これは皆さんにとっても素晴らしいことですよね?マイクもケーブルもコンソールもスピーカーもアンプもスタッフも、数が足りなくなりそうなくらいこの夏は忙しくなりました。コンソールの背後でライブを楽しんでいる何千人もの観客の中で、ライブミックスが出来ることは、自分にとって本当に幸せなんだと改めて実感しました。
さて、Avidの新しい製品について話しましょう。ロックダウン中、私たちはZOOMで会議したりしながら構想を練っていました。驚くべきことに、どんなにテクノロジーに精通した賢い人たちも、ミュート解除を忘れたまま話し続けたりしているんですよね。私自身、S6Lユーザーと話している時間は非常に長いのですが、彼らの考えや批評、提案に耳を傾けることが仕事であり喜ばしいことなのです。全員が共通して同意するのは、Avid VENUE | S6L Stage 64のプリアンプが素晴らしいという点で、S6Lユーザーコミュニティ以外でも、ライブサウンド界では、それが最もクリアでオープンなサウンドのプリアンプであることは広く認められているのです。オペラ、ヘビーメタル、スポーツ、放送、教会と、多くの重要なレコーディングでフロントエンドを務めてきたJeff R氏に感謝申し上げます。
S6Lのフラッグシップのステージ・ボックスであるモジュール式のStage 64は、多くのオプション・カードの用意があり、お客様のニーズに合わせて構成することができます。一方で、予算重視の固定構成のアナログ入出力デバイスを必要とするお客様もいらっしゃいます。
そこで、私たちはエンジニア・チームに働きかけ、そういったニーズに合わせた製品の開発にチャレンジしたのです。Stage 64と同じプリアンプとコンバーターを使用し、同じサウンドを作り出す一方、モジュール構成要素を取り除くことで手頃な価格が実現しました。それがAvid Stage 48です。リダンダント電源、イーサネットまたはファイバーAVBによるリダンダントネットワーク接続、ヘッドアンプMADIスプリットなど、充実したスペックを備えながら、8Uというやや小型の筐体に感動的なサウンドを実現した固定フォーマット版です。
このプロジェクトにより、筐体やオーディオ・クオリティを損なうことなく、定評あるI/Oラックのコスト削減を可能にしました。Stage 32やStage 48、Stage 64、Local 16、そして全てのS6Lコンソールに搭載されるプリアンプは、どれも同じものです。どんなプロジェクトにもフィットするよう、どのシステムにも必要なI/Oを構成できるようになっていますが、サウンド面では決して妥協していません。つまり、どのタイプのステージ・ボックスを使っていても、いかなる構成においても、どのバージョンのVENUEソフトウェアでも、Showファイルの互換性があることも意味します。製品のオーディオ・クオリティは、仕事の核になるものです。私たちライブ・サウンド・チームは、日々私たちのシステムを使って働くエンジニアと同じように、オーディオマニアなのです。
VENUE 7以降のソフトウェアが必要なStage 48は、プラットフォーム上のすべてのS6Lコンポーネントと接続して動作し、True Gainテクノロジーなど、同じ機能セットをサポートします。
仕様とサイズ
接続 | 2 x Ethernet (AVB)、2 x Fiber (AVB) |
形状 | 8U ラックマウント |
同時入出力 | 48 x 24 |
サンプルレート | 96 kHz |
プリアンプ | 48 x マイクプリアンプ |
アナログ出力 | 24 |
MADI接続 | 2 x 48 (@48 kHz)、1 x 48(@96 kHz) |
重量(箱を含む) | 40 kg (88.2 ポンド) |
重量(製品のみ) | 36.4 kg (80.2 ポンド) |
サイズ(箱含む) | 501 x 608 x 636 mm (19.7 x 23.9 x 25.1 インチ) |
サイズ(製品のみ) | 355 x 430 x 568 mm (14 x 16.9 x 22.4 インチ) |
Stage 48は、小規模な会場や教会でのS6Lシステムとの接続を想定した、高密度でコンパクトなステージ・ラックです。Stage 64のコンポーネントを100%再利用したデザインで、Stage 64のオーディオ・クオリティをそのままに、リーズナブルな価格を実現しています。Stage 48は、新たなシステムの中核となる、または現在のシステムを拡張するための手頃な製品として、活用いただけることを期待しています。
ロブ・アラン (Robb Allan)
ロブ・アラン は、Avid のライブ サウンド担当シニア・プリンシパル・プロダクト・マネージャーです。ライブ・サウンド・エンジニアとして、Radiohead、Coldplay、Massive Attack、Manic Street Preachers、Natalie Imbruglia、Richard Ashcroft、Lisa Stansfield などの素晴らしいアーティストと仕事をする機会に恵まれました。また、Late Night with David Letterman、Saturday Night Live、The Tonight Show with Jay Leno、The BRIT Awards、MTV Music Awards、2010 FIFA ワールドカップのキックオフ・セレブレーション・コンサートで音声放送をミキシングしました。